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私は私のお母さん第7話『GW2人きりの夜(前編)』

  • 2019年9月26日

どうしてこうなってしまったのだろう?
ゴールデンウィーク、あの人の家で過ごす事になってしまった。早まった事をしてしまったのではないか?
あの人の家族は親戚の家に行き、今夜は2人きり。私は、初めて入った家で、シャワーを浴び、シャンプーなんてしている。
私がいつも使っている安物シャンプーの『メソット』とは違う高級感漂うシャンプー。あ、なんかいい匂いだな♪私みたいな貧乏人には、勿体ないくらい。遠慮がちにシャンプー液を手に取って、髪につけて洗う。
うちは、母1人子1人の母子家庭だから、シャンプーなんかにお金をかけられない。
父は私が生まれる前に事故で亡くなったと聞いている。それが本当の事なのかどうか、私は疑問視している。
でも、母が父の事を詳しく話してくれないのは、それなりに事情があるのだと考えている。
いつか、私がもう少し大きくなったら、本当の事を聞かされるのではないか、ということは覚悟している。
だから、もし仮に父が人を殺して刑務所にお勤めしているとしても、必要以上に驚かないようにしたいと考えている。『殺人犯』よりも驚くような事情は、そうそうないであろう。なので、私は母の告白に驚かない自信がある。髪を洗い流す。
「あれっ、石鹸は?」
見あたらない。石鹸を用意してないなんて、うっかりさん?
ううん。そんなはずはないだろう。シャンプーボトルがこんなにあるんだし、ひょっとして……。
やっぱり、ボディソープだ。ハンドソープなら使った事があるが、ボディソープなんて高価なモノを……。
うちは、ほぼミルク石鹸一択である。一時期、薬用石鹸Aqoursだった事もあるけれど、あの匂いは慣れなかったな。
おお、泡で出てくるぞ!なんか嬉しい。うちのミルク石鹸では、この泡立ちは不可能だ★
顔だけ先に洗った後、ボディソープをしっかりちゃっかり泡立てて、スポンジで身体を洗っていく。泡立ちの差が歴然で、洗っていて楽しい♪
これが、王侯貴族と平民の差なのね、とか思ってしまう。
夢中になっていると、ガタッと音がして、驚いて振り向くと、その人が一糸纏わぬ姿で、浴室に入ってくるところだった。

話はゴールデンウィークを直前に控えたその日に遡る。
というと、日数がが経過したみたいに思えるかもだけれど、何の事はない。
前回の第5963回恋バナフォーラム2019の翌日の出来事である。
あれ?そんなタイトルだっけ?と、振り返って頂かなくても結構である。タイトルなど、思いつきで適当にいや、テキトーにつけているのだから★
なんとこの日、文芸部には10人の部員が勢揃いした。
そう、コーキ君こと河野弘毅文芸部部長と、ショーマ君こと江口翔馬君は、見事に昨日さくじつ5人の新入部員勧誘1年生の洗脳に成功したのである!
吾々女子チームが、恋バナ談議エロトークに花を咲かせている間に、1年生を1人ずつ拉致監禁し、『この開運の壺を購入すれば、幸運ががっぽがっぽと、津波かweb小説サイトの異世界転生小説雨後のタケノコの如く押し寄せます』とか、『吾々の宗教に入信すれば、教祖様と同様のインチキ超能力素晴らしいチカラを手に入れる事が出来ます』などと迫ったのであろう。正直頭が下がる想いである。
新入部員は5人全員が1年生で、うち4人が他の部との掛け持ちである。
以前、コーキ部長が連れてきてたカレは再び地引き網に引っ掛かってしまったらしく、今回はラブラブライブ!の矢澤ぬこちゃんのおなじみの『ぬっこぬっこぬー♪』ポーズのカラーコピーイラストを残していってくださった。
新入部員たちには、部誌掲載用の原稿執筆依頼宿題を提示して帰ってもらった。ただ1人残ったのは。
「あのですね実は以前から文芸部には興味があったんですよおでもどおしようかなと考えていたら入部するキッカケをなくしてしまってう〜んこれはまずいぞとか思い始めていたところなのでお誘い頂いてとっても嬉しいです、それで私は何を書こうかと思っているかをお話するとですね……」
唯一文芸部専属になった女の子の音無響美《おとなしきょうみ》ちゃんは、恐らく口から先に産まれたに違いないという程の能弁な美少女であった。ほぼ息継ぎ無しでしゃべり続けるその姿に、3年生5人は圧倒され続けたのであった。
そして何故だか理由は不明だけれど、ショーマ君の鶴の一声で、彼女の愛称は『ぴよぴよ』になってしまった。
「ぴよぴよ良いですねえひよこみたいで可愛いですひょっとしてこれは私がひよこ系美少女って言うことですか?可憐な私にぴったりですねこれから私は文芸部のマスコット系超絶美少女として学園生活を送っていく事になる訳ですねなるほどなるほどそれで……(以下省略)」
個性的で面白い子ではあるのだが、ぶっちゃけ、一緒にいて超疲れる子でもある。
「あっごめんなさい申し訳無いですけれど今日は家庭内におけるウルトラ重要な用事がありましてお暇いとまさせて頂かなくてはならないのです先輩方を差し置いて先に帰るなど言語道断地獄に堕ちやがれみたいに思われてしまうかもしれないのですけれどそんなふうに思われては私の繊細なひよこハートが張り裂けてしまうのでここはどうぞ穏便に……(以下略というか、さっさと帰りやがれ!)」

「凄い子だったね〜。なんか『ぴよぴよぴよぴよぴよ〜っ!』って感じで……」
チコこと三ヶ月智子が言う。
「昨日獲物を物色新入生勧誘してるとさあ、ずーっとこっち見てる訳よ。文芸部入りたいのかと思って声掛けたら……。俺が一言言ったら、30倍になって返ってくるんだぜ?あれは辟易した……」
ショーマが勧誘時の経緯いきさつを話してくれた。想像しただけで、疲れが行列をなして押し寄せてきそうだ★
「あの、ぴよぴよちゃんって、もしアニメ化されたら誰が声優やるんだろう?」
ユミこと高橋裕美が疑問を口にする。
「う〜ん、そうだねえ。あの息継ぎ無しのバルカン砲トークは、如何にプロの声優さんでも再現は不可能かもしれないね。ご本人様が声を充てるか、あるいは、ボーカアンドロイドの初美ミクちゃんを起用するか」
コーキ部長が意見を述べる。確かに、あれを再現するのは骨が折れそうだ。
「ちょっと私のしゃべり方をからかうのはよして下さいよ〜お他の人よりちょっぴり早口なだべっ!」
噛んだっ!ショーマ君が盛大に噛んでしまった!
「あのしゃべり方を真似するのは、常人には無理なんじゃないかなあ?聞いてるだけで窒息死しそうになる」
チコの漏らした感想に皆が、うんうんと首肯する。
「でも面白い子だよね?やる気もあるみたいだし、裏表も無さそうに見えた。次期部長に推そうかと思ってるんだけれど……」
コーキ部長の問い掛けに、会話がストップする天使が通る
そうなのだ。原則として、1学期で3年生は退部する事になるのだ。文化祭の時には、OBとして参加する事となる。
なんやかんやあったけれど、みんな面白いメンバーばかりで楽しかった。その関係がもうすぐ終わってしまうというのは寂しくて、ちょっぴりおセンチになってしまうのは私ばかりでは無いようだ。
「ぴよぴよちゃんが部長か〜。楽しそうだよね。私、部活辞めても毎日遊びに来ちゃうかも♪」
チコが言うけれど……。
「そうしたいのはやまやまだけれど、受験勉強なり就職活動なりをしなくちゃいけないからね……」
「そ、そうでした」
しみじみと言うコーキ部長の言葉にチコがおどけて返す。
高校は3年間だけれど、実際に青春出来るのは2年と数ヶ月なのだ。
「私は後になって後悔したくない。だから、今しか出来ない事には全力で取り組みたい!」
そうはっきりと宣言したのはユミだった。莫迦ばっかやってるイメージだったけれど、そんな熱いところもあるんだ!
ちょっと感心した。
「ユミちゃんが、そんなふうに言うなんて意外で、キャラじゃない感じ?でも、そんなユミちゃんも良いと思うよ?」
私が言うと、顔を真っ赤にして照れる事しきり。そんなユミをちょっと可愛いとか思ってしまった。
それから間もなくしてお開きとなった。チコとショーマは、用事があるらしく帰宅。ユミは帰るかどうするか迷っていたようだけれど、コーキ君が、
「少し出掛けてくる」
というのを聞いて、残る決心をしたようだ。
「ねえ?私たちもお菓子でも買ってこない?」
私が訊ねると、真面目な顔をして何か言いたげに、口をもしょもしょ動かしていたユミだが、
「うん、わかった」
と立ち上がる。
なんか、今日のユミは様子が変だな、と思いつつも、一緒に部室を出て近くのドラッグストアに向かった。

食べ物飲み物を買ってきて、部室で小説執筆のための準備作業をする。
具体的には、小説を書くために必要な情報をインターネットで検索し、資料を作っていく。
たとえば、タイムトラベルをして自分が生まれるより前の時代に行くと、自分の戸籍が無い。
戸籍がなければ、アパートを借りることも、就職する事も、運転免許などの資格を取得する事も出来ない。
そのような場合に、家庭裁判所を利用して、自らの戸籍を作るシステムが存在する。それを『就籍』という。
タイムトラベラーが、過去の世界に行き、そこで定着して生活をするのであれば、就籍の記述は不可欠であろう。
こういった細々とした記述を、丹念に積み重ねる事によって作品にリアリティが生まれてくる。
これに限らず、小説を書くという作業は、様々な知識を必要とする。
SF小説だから、その辺は曖昧で良いや、という事にしてしまうと、薄っぺらい非現実的な内容になってしまい、とても感情移入しての読書には耐えないモノとなってしまうだろう。
ネットで検索して、細かな手続きやら要件やらを調べていると、ユミの視線を感じた。
「何見てるの?」
作業の手を止め、ユミの顔を見つめる。
「おゆきちゃんは熱心だね♪おゆきちゃんだったら、いつかSF作家になれると思うよ☆」
「ありがとう♡」

素直に嬉しい。私はタイムトラベルモノ小説の決定版を書きたいと思っている。100年先まで残って、SFの古典的名作と呼ばれるような作品を残したいのだ。
そのレベルの作品を書くためには、生半可な努力では足りないであろう。
量子論や相対性理論などの知識は、最低限の必要条件。誰も書いていないアイデアを盛り込み、読者の知的好奇心を存分に刺激し、更に大きな感動を与える事が出来ないと、100年先まで残る名作など書けっこない。
ハードルはあまりにも高いけれども、不可能ではないと信じたい。他の誰が、
『そんな事は出来るはずがない』
と、ネガティブな暗示を執拗に掛けてこようとも、私だけは自分の事を信じ貫いて行かなければならない。
そのような過酷な夢だが、親友に、
『SF作家になれる』
と言われたら、勇気が湧いてくる。
「ユミちゃんはどこまで進んだの?」
「全部書き終えた」
「へっ?」
素っ頓狂な声を出してしまう。速い、あまりにも速い。
「見せてもらって良いかな?」
ライバルの動向は大いに気になる。なにせ、昨年度の文芸部の部誌人気No.1作家なのである。
「うん。むしろ、おゆきちゃんに一番に見てもらいたかった☆」
ユミが原稿用紙を取り出す。綺麗な字で書かれたそれを受け取る。
「高橋先生、拝読させて頂きます」
「よろしくお願い致します」
少し緊張した面持ちのユミ。さすがのユミでも、初めて人に読まれる時は緊張するんだな。
作品の内容は、仲良しな女子高生2人がいる。一方はある朝、目覚めると身体が男性になっていた。困ってしまうものの、焦って問題が解決する訳じゃないと開き直り、ある計画を立てる。両親が不在になる時を見計らって、仲良しの相手を家に誘って、えっちをしてしまおうというモノだ。
表では出せないような描写。強引で力ずくではなく、お互いが相手を思い合ってのラブラブえっち♡
えっちの後、男性化してた身体が元に戻るんだけれど、今度は相手の方が男性化してて、今度は立場を入れ替えて致しましょうかというオチまでついていて……。
「読んだ」
原稿用紙を机の上において、身体全体ユミの方へ向き合う。
「そ、それで評価は如何だったでしょうか?」
緊張で固くなったユミが訊いてくる。
「困る」
「困る?」
オウム返しするユミ。言葉に従うように、その表情も困り顔になっている。
「うん。こんなに面白いなんて許せない。小説家を目指してる訳でもないユミが、ここまで凄いの書けるなんてずるい!」
と、ここまで言って、感想を聞いてたユミが泣きそうになってるのに気が付いた。これ以上の意地悪は出来ないな★
「ウソウソ。困るってのは本当だけれど、そんな事でユミの事を嫌いになったりしないよ……」
ユミの目に溜まっていた涙が、ぶわって溢あふれて、ぼろぼろと溢こぼれ出した。あれ、泣かしてしまった!なんで?
これはまずいと思って、思わずハグしてしまった。泣く子をあやすイメージで背中を軽くぽんぽんと叩く。
1分程そうしてたら、ユミも落ち着いてきたようだ。
「ごめん。感情が高ぶっちゃって!」
「ううん。ダイジョウブだよ。でも、今年も、人気投票はユミちゃんに負けそうだな」
「じゃあ、これは出さない!」
「え、いや、そういうつもりで言ったんじゃ……」
「実は、おゆきちゃんに相談があるんだ……」
「相談?」
唐突に言われてびっくりした。でも今日のユミは、何かと様子がおかしかったから。悩み事があったんだろう。納得。
「聞いてくれる?」
「ダメ!……とは言えないな。大切な親友が頼ってくれてるのに、それをないがしろにするくらいなら、私はいつでも人間やめてやる!」
私の言い方がおかしかったのか、ようやくユミが少し笑った。おずおずと話しだす。
「あのね、私、好きな人がいるの……」
消え入りそうな声。何故だろう?今日のユミは、弱々しくて、儚くて、目を離すと消えてしまいそうに思える。
「ダイジョウブだよ!私、誰にも言ったりしないし、応援するから!」
「最初に言っておくね?私、おゆきちゃんの恋路を邪魔するつもりはないから……」
「うん!ううんっ?」
ま、まさか、ユミの好きな相手って……。頭をガンッ、と殴られたような衝撃を感じた。
そうか、ユミもコーキ君の事を好きだったんだ!確かに、コーキ君は素敵だし、ユミはコーキ君の事、悪く言った事ない気がする。
でも、マジかーっ!親友同士でトラグルか〜。あ、トラグルってのは、『トラブル』+『トライアングル』≒ほぼイコール『三角関係』の事ね。
不安そうに上目遣いで見上げてくるユミ。そんなお目々うるうるチワワ眼まなこで見つめられたら、邪険になんて出来なくて。
「あー、うん。でも、これは応援出来ないかな?朝令暮改で申し訳ないけれど。でもユミだって、わかるよね?」
こくこくと頷くユミ。
「でも、マジか〜っ!2人して同じ相手好きになるなんて……」
私の呟きに、目を丸くするユミ。
「おゆきちゃんっ!違うよっ!私が好きなのは、おゆきちゃんなのっ!」
「なっ!」
言われて初めて気が付いた。言われてみたら、思い当たる節がてんこ盛りだ!
胸を触ってくる事。今日のユミの態度。今読んだばかりの小説。etc、etc……。
そうか、そうだったのか。私ってば、なんて鈍感なの〜っ!ここまで、猛烈アタックされてるのに気付かないなんてラノベ主人公並みじゃないか!
実は今日、コーキ君に告白するつもりであった。その日に告白されるなんて。しかも相手は、超絶美少女にして大親友のユミってどういう事よ!ねえ、ちょっと!これなんてラノベ?
目の前で、お目々をうるうるさせながらも、ひたすら健気に待ち続ける小動物系美少女。あ〜、もうこれ、どうしたらいいの?どうするべきなの?考えてもわからないよ。考えてわからないなら行動あるのみ!
「ユミちゃん!」
「は、はひっ!」
ユミが噛んだ。この子もいっぱいいっぱいなのだろう。
「私、今日コーキ君に告白するから!告白した結果も踏まえて、明日返事をするから!だから、1日だけ考えさせて下さいっ!」
「はい……」
言ってしまった。1日って短すぎじゃね?『少し』とか『暫く』とか考えるべきじゃね?言い直そうか?
そう考えていると。
「おゆきちゃん!私、おゆきちゃんの恋が実ったら良いって本気で思ってる。おゆきちゃんが失恋して、私にターンが回ってきたら良い、なんて絶対思ってない!でも同時に、私がおゆきちゃんの事を、想う気持ちも……。この溢れ出して止められない想いも本物だからっ!」
そそくさと小説原稿をしまい、立ち上がるユミ。涙ぐみながらも、全開の笑顔で。
「私の気持ちよりも、おゆきちゃんの幸せの方が大事だから。優先順位が上だから。コーキ君との恋が実るよう、全力で祈っていますっ☆」
「えっ、あの……」
私の言葉に反応せず、ユミは部室を飛び出して行った。
「ユミちゃん、どうしたの?泣いてたみたいだけれど?ケンカでもした?」
ユミと入れ替わりに入って来たのは、河野弘毅君だった。

恒例の次回予測
恒例の次回予測のコーナーです。なんか、前回で『最終回の予告』を終えてしまったそうなので、こんなへんてこりんなコーナーが始まってしまいました。
ヤサコこと、坂下優子です。
まず、今回気になったのは、冒頭の浴室シーンね。これ、最後に入ってきたのが男の子なのか、あの女の子なのか。恐らく、その二択でしょう。
もしこれが、私んちのお風呂とか、今回初登場の音無響美ちゃんとかだったら、何じゃそれ、って事になっちゃうわよね。
さて、恋の行方ですが、もしコーキ君がユミちゃんの事を好きだったら、見事に、恋の一方通行三角形矢印の出来上がりなんだけれど、さすがに友達の恋で遊ぶ気にはなれないわ。
でも次回で、この恋の行方は一応のカタがつくと見るわ。カタがつく確率はそうね……、85%といったところかしら?
それでは、来週の放送をお楽しみに♡
さようなら☆

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